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Junk
D.Gray-man
※この話は最後の最後が微妙にエロい雰囲気です(描写は無いけれど)。
そういうのが無理な方は、即刻プラウザバックプリーズ。
糸に絡まりもがく蝶と追い詰める蜘蛛。
果たして、囚われたのはどちらであったのか。
「〜遊ぼ?」
『ロード、お前またレロをちょろまかしたんだって?千年公が怒ってたよ』
千年伯爵は♥を乱舞しながら怒るので結構怖い。
(アクマが何体壊されたことか……)
は思わずため息を吐いた。
とティキは任務(伯爵のお使い)で、今この場には居ない。
ロードの宿題を手伝うのも、伯爵を止めるのも自分の役目なのだ。
何故、ノアと伯爵にここまで気に入られたのだろう。
「様」
『エリアーデ。千年公に呼ばれたの?』
「はい、クロウリー城に…」
『そっか。エリアーデ』
「はい?」
『お前、また綺麗になったね』
が微笑みながらその髪を撫でると、エリアーデは嬉しそうに笑った。
エリアーデは自我を持ったアクマで、綺麗と言われるのが好き。
に誉めてもらうことは、エリアーデの一番の幸せであった。
(様は、とても綺麗だから)
男も女も関係なく魅せられる、その凄艶な美しさ。
まるで、妖しく花の間を舞う蝶のような。
『気を付けて行っておいで』
「はい」
これが、最期の別れだと知りながら。
は、アクマを引き連れていくエリアーデを見送った。
「、ちょっとこっちに来てくだサイ♥」
『……はい、千年公様』
「僕も行くぅ」
伯爵はよくわからない存在だ。
預言者の自分を手元に置いておきながら、一度も預言させたことは無い。
教団にとって有利となりそうなものを排除しておきたかっただけなのかもしれない。
それか、自分のシナリオによほどの自信があるのかも知れない。
伯爵だったら後者の方が有り得そうだとは思った。
『!』
『?!おかえ……ん、っふ…ぁ…』
伯爵の部屋に行くと、部屋の中に居たは会うなりを抱きしめて深い口付けを施す。
伯爵やロード、ティキの存在は全く無視されている。
が周囲の状況に気付いてを引き剥がすまで、ソレは続いていた。
「、ロードの情操教育に悪りィから盛るのはやめろ」
『うっせーティキ。男の嫉妬は醜いぜ?』
とティキは、その整った顔立ちに似合わず言葉遣いは汚い。
2人とも孤児だったからか、それとも別の理由があるのかは定かではない。
少なくとも、が初めて対面したときから2人はこうであった。
15年前、7回目の誕生日の日に、の目の前で両親が殺された。
殺したのは当時まだ9歳のだった(正確に言えばアクマが殺したのだが)。
物心がつく頃には全てが“見えた”は、両親に全てを…自分たちを殺しに来る者が居ると預言した。
そして両親とともに町から遠く離れた所へと逃げたのだが、結局捕らえられてしまった。
両親は敬虔なクリスチャンで、預言者のを神の子と言った。
(その神の子が今は神を汚す存在だと知ったら、父さんたちは驚くだろうな)
は乾いた笑みを漏らす。
自分の親を殺した男を愛し、同じ男に組み敷かれているのだ。
間違いなく神への冒涜、大罪に値するだろう。
けれど、壊れて人形のようになったに、は15年間愛を与えつづけた。
今は軟禁状態に近い暮らしだが、もし解放すると言われてもはに束縛されることを望むだろう。
それは、が“見た”抗いようの無い未来であり、の意志でも有る。
朽ちるまで、に囚われていたい。
「?」
『え、あ、何、ロード?』
(いつの間にか)膝に座っていたロードに顔を覗き込まれ、は我に返る。
伯爵もティキももこちらを見ていた。
は立ち上がり、こちらへ寄ってきての顔を両手で包み込む。
『調子でも悪りィのか?』
『違うよ。ただ、過去を“見て”いただけ…』
ひんやりとした手がひどく心地良く、暖かく感じられるのはどうしてだろう。
たった一週間会えなかっただけなのに、いや、一週間会えなかったからこそ愛おしい。
自分から全てを奪った男、自分を生かしつづける男。
男を受け入れることに慣らされた体が、を求めて止まない。
『……』
甘ったるい、誘うような声で(実際誘っているのだが)を呼ぶ。
熱を持ち始めた体を、メチャクチャにされたい。
早く、ハヤク、ダイテ、コワシテ?
からの誘いに、が乗らないはずは無い。
の膝の上に居たロードをどかしてを抱きかかえ、自分の部屋へと向かう。
「相変わらずお熱いデスネ♥」
「あーぁ、今日は寝かせてもらえねーな。一週間ぶりだし」
「良いんじゃないのォ?が誘ったんだしィ」
千年伯爵、ティキ、ロードの間でこんな会話がなされていることをは知らない。
に溺れて、他のことなんて考えられなかった。
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