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Junk

ある意味Prologue



Hallelujah,amen.


「へぇー……に彼女、なぁ……」
『青天の霹靂、ってヤツ?あの5組の可愛い子だろ?あの子見る目だけはねーんだな』
『お前らもうっせーよっ!俺に彼女ができるのが悪いのかよっ?!』
「悪いよなぁ、?」
『あぁ。明日の天気は雨ところどころに雷でしょう』


こんなことを言っているけど、正直凄く驚いていて。
に恋人ができたのは喜ばしいことのはずなのに、複雑だった。

ついこの間まで、彼女なんて一生できないと言ったのは誰だった?
どうして俺は、それをお前からではなく、他人の口を介して知った?
薄々感づいてはいたけど、どうして何も言ってくれなかった?
お前にとって俺は、所詮そんな程度の存在だった?

思い返せばほんの些細なことさえが、俺の心をざわつかせる。
確かに俺は口うるさくて、手も早くて、他人の足を引っ張ってばかりで。
ここまで自虐的になるくらい、どうしようもない欠陥人間で。
人に好かれる自信だって無いし、人を信じられるほどのお人よしでもない。
でも、お前は俺に笑いかけてくれただろ?
俺の名前を呼んでくれただろ?
俺のパスは受けやすくて最高だって、言ってくれただろ?


、なんか冷たくね?もっと喜んでくれよ、友達なんだから』
『俺とお前がいつ友達になったって言うんだよ?この抜け駆けやろー』


いつ友達になった、だって?
自分で言って、自分で落ち込んでどうするんだ?
は全く傷ついてなくて、怒りや悲しみも顔に浮かべていないのに。

の態度が冷たく感じられるようになったのは何時からだった?
丁度、に彼女ができた頃じゃなかったか?
もしかしたら、最初から俺のことを疎んじていたんじゃないのか?
本当は、それは俺の思い込みでしかなくて、怯え過ぎているだけなのか?

いつだってそうだ。
自分なんて必要とされてないんだって、自分を哀れんで。
他人なんて信じないなんて、突き放して。
でもやっぱり誰かと繋がっていたくて、こっそり試してみたりして。
結局勝手に傷ついて、また他人を拒絶する。


『あーぁ、でもお前に彼女ができたんなら、そりゃ一緒に帰れないわけだな』
『悪りぃな、黙ってて』


本当にそう思ってるのか?
本当は、なんでお前なんかに知られたんだよって思ってんじゃないのか?


『ま、秘密にしてたのは別に良いけど。俺たち親友ってわけでもねーしな』
『……そうだな』


なんでそんなに悲しそうな顔するんだよ?
本当は俺のことなんてなんとも思ってないんだろ?


『人間誰にでも言いたくないことはあるしな』
『……にもあんの?』


あぁ、あるよ。
お前やみんなに話してる俺の過去って、俺の友達や家族のことだけで、俺自身について触れた話なんて無かっただろ?
お前らに、俺の内面曝け出したこと無かっただろ?
お前ら他人に、本当の俺なんて見せるわけないだろ?


『さーて、じゃ、俺先に部活行くな』
『お、おい待てって!置いてくなよ』
『やだねー。彼女とイチャついてろ』


追いかけてくるを振り切るように、廊下を駆け抜ける。
どうしてこんなことで苛ついてるのか自分でもわからない。
俺にとっても、にとっても、互いが一番な訳じゃない。
あいつにはたくさんの人間が寄ってくる。
俺なんて、そんな中の一人でしかないんだから。


『やっと追いついた……、何怒ってんだよ?』
『……、おめでとう』
『は?』
『せいぜい一ヶ月は続くように祈っててやるよ』


本当に、それくらいは祈っててやる。
他人にしてやる好意はそれくらいで充分だろ?


『……サンキュ、
『礼なんて言うなよ、気持ち悪りぃ』


でも、お前が失恋して傷ついてるとき、俺は絶対喜んでるよ。
逆恨みかもしれないけど、お前は俺に隠し事してたんだから。
俺を裏切って、俺を傷つけたんだから。

なぁ神様、本当に居るんならさ。
どうしようもないくらいに穢れた俺を、どうか消してしまってよ。


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